ハルオレ☆ -後篇-


「遠山君、お酒渡された後に観奈と思いっきり熱く語り合っていたんじゃないですか!」







「えっ?そうだったの?…あっ、もしかして途中から西川さん含めて3人で飲んでたっけ?あっ、だから西川さんが俺を部屋まで連れてってくれたの?」







俺は昨日、観奈と…そして西川さんとの出来事を完全に覚えていないため訳が分からないことを口走る。







すると西川さんが『はぁ』と呆れたため息を一つ。







「…いえ、もういいですぅ。あの夜の事はすべてなかったことにしますぅ。」







そして、仕舞いには両腕を組んで頬を膨らませるとそっぽを向いた。








「え~ちょっと教えてよ!あの夜の事って何?俺何かした?」







ふてくされている西川さんに俺が席を立って聞き入ろうとした、その時…。







「遠山君。ちょっといいかな?」







そう聞こえてハッとすると、俺の気づかない間に目の前にノートを数冊抱えて持った愛穂が立っていた。








「あっ、室長。うん、どうしたの?」







俺は体制を元に整えると口を開いた。







すると室長は少し困った表情を見せて、







「菅谷君見なかった?」







俺にそう聞いてきた。







観奈の次は彼方か…(´・ゝ・`)







「彼方なら部活見学に行った観奈を探しに行ったみたいだよ。」







俺は先ほど彼方に聞かれて答えたことを応用して室長にも伝えた。







「澤原さんを?」







気のせいか愛穂がふと一瞬眉をひそめたように見えたが、すぐに彼女は顔を傾け『うーん』と唸り、







「困ったなぁ。うん、まぁ、まだ時間に余裕もあるし校内捜してみる。ありがとうね。」







腕時計で時間を確認して俺に笑顔を見せると、愛穂は急ぐように教室から出て行った。

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