ハルオレ☆ -後篇-
俺がすっぱい気持ちになっていると、西川さんがゆっくりと口を開く。
「…それは室長が一年の時です。彼女は体育の授業で気分が悪くなって日陰で休んでたんですよ。」
へぇ…。
一年の時ってことは、今から二年前か(゚ω゚)
「そしたらですね。ある男子生徒に『保健室に連れて行こうか』って声を掛けられたんです。でも室長は『大丈夫だから』って断ったんですけど。」
「へ〜。室長らしいね。」
「はい。それはそうなんですけど。実はその男子生徒と来たら『心配だから保健室連れて行くよ』って室長を無理矢理お姫様抱っこして保健室に連れて行ったんですよ。」
俺はそれを聞いて驚いた。
「へぇ〜、すごい男子生徒だね。俺だったらそんなこととても出来ないや。」
だっていきなり女子生徒をお姫様抱っこだよ?( ̄∀ ̄;)
「なんかさ、まるで王子様みたいな…」
そう言い掛けた俺だが。
Σ(゜д゜;)ハッ!王子様!?
「……ってまさか…?」
「あっ、もしかして誰か分かりました?」
西川さんがニヤ〜と笑って俺の顔を覗き込んだ。
「…いや、やっぱり。いや、でも…そうなの?」
俺はまるでロボットのようにゆっくりと首を傾げると、
「はい。どうやら室長はそれ以来、腹黒王子のことを想っているようです。」
西川さんが笑顔で俺の疑惑を消し去るようにキッパリと言い放った。