ハルオレ☆ -後篇-

part4 愛穂の王子様




俺と西川さんがそんな話をしていた一方その頃…。







話題の主役であった、我らが王子様、彼方様はというと…







【旧校舎 3階廊下】







「あ〜もう観奈のやつどこ行ったんだよ。」







観奈が見つからなくてイライラしておりました( ̄▽ ̄;)






彼方は校内を一通り見回ったが観奈は見つからず、普段は部活でしか使われない旧校舎までやってきたようだ。







そんな彼方が廊下をキョロキョロしながらうろついていると、







「おいおい、何をイライラしてるんだ?それじゃあ、学園の王子様らしくは見えないなぁ。」







声がしたと思ったその時、前方から北洋高校理事長、白衣を羽織っている藤岡先生が歩み寄ってきた。







「…チッ。」







藤岡先生が現れた途端、小さく舌打ちした彼方は眉を寄せた。







あからさまに嫌な顔をして見る彼方に藤岡先生は苦笑いをする。







「そんな露骨に不機嫌な顔するなって。いつもニコニコしていて、誰にでも物腰が柔らかな王子様。それが君の学園での評価だろ?演じるなら徹底的に演じないと。中途半端が一番いけない。」







彼方の目の前で足を止めると、藤岡先生は『ねっ☆』と笑顔を見せた。







すると彼方は『フッ』と渇いた笑みを浮かべ、







「そうですね。たとえ吐き気がするほど大嫌いなあなたにも皆のように均等に接するべきでした。ご忠告ありがとうございます。」







いつものさわやか王子様スマイルで毒を吐く。
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