ハルオレ☆ -後篇-
そして、眉を寄せ大きなため息を落とす。
「ね、姉さんか……。」
そう言った藤岡の顔はとても嫌そうな顔であった。
「うわぁ…。なんだろう…。電話出たくないなぁ〜。」
藤岡はそう言って、また大きなため息を落とす。
「いかがなさいますか?」
芭悠里が気を遣ってそう声をかえるが、藤岡はブンブンと首を横に振り、
「ダメダメ!ここで電話に出ないと後で姉さんに何されるかわからないからね!…芭悠里、電話回してくれる?」
しぶしぶまたイスにドカリと座った。
「かしこまりました。」
芭悠里が電話の転送ボタンを押すと、藤岡はすぐに自分の机の電話の受話器を上げた。
「はい。もしもし。」
『はぁい。慎太郎。久しぶりね。』
「姉さん。久しぶり。…ところで今日は僕に何の用があるのかな?」
『あら?私達姉弟じゃない。用がないと電話しない関係じゃないでしょ?』
「…いや、そうだけどさ〜。姉さんの場合、だいたい用がある時じゃないと電話かけないイメージがあってさ。」
『…ふふ。言うようになったじゃない。勿論今日も用があって電話したんだけどね。』
「はぁ…やっぱり。…で、いったいどうしたわけ?」
面倒くさそうに藤岡がそう言うと、美月は『ふふふ。』と怪しく笑う。