ハルオレ☆ -後篇-
「さぁ!遠山君!走りますよ!」
西川さんはそう言うと、ガシッと俺の手を握った途端走り出した。
「ちょっ!西川さん!?」
俺は彼女に手を引かれるまま、蘭藤荘の階段をかけ下がる。
お、俺ほとんどひきづられてますけど━━(゚Д゚;)━━!!
俺と西川さんがそのまま蘭藤荘を出ていくと、彼方が歩き出す。
「はぁ…。まったく朝から騒がしい奴らだな。」
そうため息を溢す彼方の後を追うように観奈は彼方の隣に並ぶ。
「ふぁー。眠い。………ん?なんだよ。そんなニヤニヤして。」
あくびをする彼方を横目に観奈が嬉しそうにニコニコしていた。
「うん。なんかこうしてまた彼方と学校に通えるなんて懐かしいなぁって思って。」
「…ああ。そうか。そういえば中学以来だな。」
観奈に言われて彼方も昔を思い出しながら少し遠くの景色を見た。
「あ、観奈。」
ちょうど蘭藤荘の階段を降りた時、彼方が口開いた。
「何?」
彼方に呼ばれ、反射的に観奈は彼方の顔を見上げると、その瞬間彼女の口が塞がれる。それは彼方の唇によって。
観奈はいきなりの彼方のキスに一瞬驚いたが、流れに身をゆだねるようにゆっくりと目を閉じた。
「……。」
そのままキスがしばらく続きやがて二人の唇が離れた。