ハルオレ☆ -後篇-
「あ、あの。理事長…」
怪しすぎる藤岡先生に俺が再び声を掛けたその時。
「なんでお前がここにいるんだよ。」
少し離れた所からそう声が飛んできた。
「え?…」
俺と藤岡先生はその声が聞こえたほうに同時に見た。
そこには。
「彼方…。」
そこにいたのは、なぜか洗面器に銭湯用具を抱えたドS王子様だった。
な、なぜ。銭湯用具!?(゚ Д゚;)
「やぁ、彼方。久しぶりだねぇ~。」
俺が突っ込む間もなく、藤岡先生が彼方に話しかけた。
「………。」
明るい笑顔で話しかけてきた藤岡を前にして彼方は押し黙る。
彼方のやつ。
そういえば、藤岡先生とは昔からの知り合いだっけ?
「お前がこの寮に直接来るなんて、いったい何の用なんだよ?」
「ははは。彼方、相変わらず口が悪いねぇ。口の利き方には気をつけなくちゃ。」
「だから、何の用だって言ってるだろ!?」
藤岡先生が何か口にするたびに、彼方の怒りが大きくなっていくのを感じる。
「あ~恐い恐い。そんなに怒らなくてもいいじゃない。それに何の用にしろ君には関係ないことだよ。」
ああ( ̄▽ ̄;)
通りすがったのはやはりウソだったんですね。