ハルオレ☆ -後篇-
「それに観奈は前々から学校に通いたいと言っていたしね。だからこれは僕からのサプライズプレゼントってとこかな?」
藤岡先生はそう言うと、観奈に近寄っては彼女の両肩をに手を乗せた。
「そんなわけで観奈。君は明日から北洋高校の生徒になるんだよ。」
藤岡先生が陽気な口調でそう言うと、彼方が怖い顔をして藤岡先生に歩み寄る。
「おい!勝手に話を進めるなよ!僕はまだ納得してない!」
彼方がそのままワーワー騒ぎだす中、藤岡先生は彼方を無視して観奈を見た。
すると観奈が少し不安そうな表情を浮かべた。
「でも、叔父様。それは嬉しいんですけど…私が学校に通うようになったら、蘭藤荘の管理人はどうなるんですか?」
観奈の言葉に心配ご無用とでもいうように藤岡先生は微笑む。
「大丈夫。その事については後任を見つけてある。だから君は安心して学生に戻りなさい。」
「…え、それ本当ですか!?ありがとう叔父様!!今まで頂いてきたどんなプレゼントよりも嬉しい!!」
観奈が満面の笑みを藤岡先生に向けたその時だった。
彼方が2人の間に割り込み、グッと藤岡先生を睨みつけながら低い声で呟いた。
「待てよ。僕は納得いかない。」
「なんでかな?」
彼方とは対照的に藤岡先生は笑顔で答えた。