ハルオレ☆ -後篇-
『えっ?』と何気なく音のした方に顔を向けると、芭悠里さんがどこから出したのか小型ナイフのような物を両手に数本はさんですぐ近くの草むらを睨みつけていた。
状況が飲み込めず、俺も無意識に芭悠里さんの視線と同じ方を見る。
すると芭悠里さんが今手にしている物と同じナイフが、草むらに一本刺さっていた。
ま、まさか…あの刺さっているナイフって芭悠里さんが投げたのか?(゚ Д゚;)
一瞬にしてその場の空気が張り詰める。
そして、いつの間にか彼方と藤岡先生が守るように観奈の前に立ちはだかっていた。
「失礼致しました。大丈夫です。どうやら子ネズミが一匹いらっしゃったみたいなので…。」
芭悠里さんの言葉に藤岡先生と彼方がホッと緊張を解いたのが分かった。
「出てきなさい!あなたの正体は分かっていますよ。…それとも、今度は持ってるナイフすべて投げて差し上げましょうか?」
えっ?何、このドラマや漫画で見るような展開!! Σ(´Д`;)
ま、まさか草むらから強靭な鋼の肉体を持った男が現れて乱闘に…((((;゚Д゚))))
するとガサガサと草むらが動いたかと思うと…
「せっ、せんばぁ〜い。いくらなんでも本物を投げないで下さいよぉ〜(TεT)」
そういって顔を覗かせたのは、俺が想像していたマッチョレスの男でもなんでもなく…
(・’v`・)?
んっ?(・’v`・)?
「西川さぁんんんん!!!?」
そう、そこにいたのは西川さんであった。