ハルオレ☆ -後篇-
だがその途端、急に不安感が芽生えたのであろう。
「…あ、でも…。本当に良かったんですか?私がその学校に…。」
観奈が確認するかのように藤岡先生に尋ねると、彼はまたニコッと笑って、
「うん。だからこれは僕の誕生日プレゼント。だから観奈は何も心配せずに学校に通えばいい。」
返ってきた藤岡先生のその言葉に、心配そうな観奈の顔がゆっくりと和らいだ。
「…叔父様。本当にありがとうございます。」
観奈は嬉しそうに深くお辞儀をする。
そんな観奈を見て、藤岡先生は満足そうな顔をしていた。
「じゃ、僕は行くから。みんなまたね〜♪」
そして、藤岡先生は俺達に手を振り蘭藤荘を去ろうとするのだが…。
「待てよ…。」
そんな藤岡先生を呼び止める者がいた。
もちろんそれは今まで何度も意義を唱えている彼方様。
「……ふぅ。も〜。何?いい加減しつこいよ。彼方。」
藤岡先生は呆れながらまたこちらを振り返る。
「…いったい、何を考えてるんだよ?」
「え?」
「正直、僕は何か企みがあるとしか思えない。」
彼方はそう溢すように言放つと、藤岡先生を睨み付けた。