ハルオレ☆ -後篇-
すると、『はぁ〜あ!』と大きなため息が響いた。
「も〜なんなの?僕になんの企みがあってこんなことするの?考えなんてあるわけないでしょ!?いい加減信じてよねぇ。はぁ…。」
再度呆れたため息を落とし、藤岡先生はさらに『やれやれ』と肩の力をぬいた。
その途端、彼方は唇をグッと噛み締めた。
「だからさっ…!!」
彼方が声を張り上げたその時。
「!!?」
「彼方様…。」
芭悠里さんがいつの間にか彼方の目の前に立ちはだかるように現れた。
「芭悠里…。」
目の前の芭悠里さんに彼方は動揺しているのか、息を呑んだ。
そんな彼方に芭悠里さんは優しい笑顔を見せ口開く。
「彼方様。藤岡理事長は本当にお嬢様の事を想ってお嬢様の通学をことをお決めになられたのです。」
「嘘だ。」
彼方は即答するが、芭悠里さんは首をゆっくりと横に振る。
「本当ですわ。この芭悠里が証人でございます。」
芭悠里さんは自分の胸に手を添え、彼方をじっと見た。