ハルオレ☆ -後篇-
そんな芭悠里さんを見てなのか、彼方は目をしかめ、
「芭悠里。でも…。」
かなり困惑している様子だった。
「彼方様。私が今まで嘘をついたことございましたか?」
そして、またニッコリと笑う芭悠里さんを前に彼方はそのまま押し黙った。
「ではおわかりいただけますね。」
芭悠里さんがそう言うと、彼方はそれ以上喋ることはなかった。
静まる空気が一瞬流れ、彼方の前にいる芭悠里さんがスッ背を向けて藤岡先生の斜め後ろに並ぶ。
「では、理事長。参りましょうか。」
「ああ。行こう。」
そう言葉を交わすと、藤岡先生と芭悠里さんはその場から消えていった。