ハルオレ☆ -後篇-
「遠山君。リップドルチェを知らないんですか?」
「え、あ。ごめん。俺、日本の企業とかそっちの類はよく知らないんだよ。」
なんせ、まだ日本に来て2か月ですから!!( ̄▽ ̄;)
すると西川さんが『おほん』と咳払いを一つ。
「あのですね〜。リップドルチェは澤原財閥の所持する会社の一つで大手化粧品企業なんです。超有名な化粧品メーカーをいくつか管理してるんですよ。」
「へぇ。そうなんだ。」
「ちなみに社長は観奈の母親である澤原美月。藤岡理事長の姉です。」
「え?観奈のお母さん?」
西川さんが観奈のお母さんの会社で働いているって、なんか世間って狭いなと思ってしまったよ。
「はいそうです。…まぁ、社長が観奈の母親って知ったのも今さっきだったんですけどね。」
…西川さん。
観奈の素性を突き止められなかった事、そうとう根に持っているみたいですね。
「あ、あとですね。ちなみに芭悠里先輩は理事長秘書なんですが、それと同時にリップドルチェの社員でもあるんですよ。」
「へぇ。そうなんだ。」
「なので秘書の仕事の合間に会社に戻ってきたりするんです。ちなみに芭悠里先輩と西川は同じ部署で働いているんですよ。」
あの綺麗で完璧ってほどの優秀な秘書の芭悠里さんとこの西川さんが同じ仕事をしている。
これ以上に違和感があることってあるのかな?と思ってしまったよ。