ハルオレ☆ -後篇-


俺がそんな事を考えていると、西川さんの口から意外な言葉が出る。






「でも実はこれは社内でも有名な話なんですが。観奈の母親、美月社長はそれはとてもとても自分の子供を溺愛しているんです。」






「溺愛?」







要するに母親が子供、娘である観奈のことを本当に可愛くてしかたないってことか?(´・ゝ・`)






「話によると子供を宝物のように大切にしているみたいで、その大切さは周りからは異常と言われるほどらしいです。まぁ、その話を聞いた時、まさか子供が観奈だとは知りませんでしたが。」






「うん。」







「で!そこなんです!そんな大事な娘を仮に預かったとして、藤岡理事長が寮の管理人にしてそこに監禁状態にしてたならまだ話がわかるんですよ。」







「…うんうん。」







「でも実際今までそうだったのに、いきなりなんの前触れもなく理事長の意思だけで観奈を学校に通わせる。なんか変じゃないですか?」







「うー…うん。」







「だから私、絶対この件には裏があるんじゃないかと思うんですよ!…って、遠山君!ちゃんと私の話聞いてくれてます?」







「え?き、聞いてるよ!」







き、聞いてはいるけどさ…。







西川さんの話は正直俺には訳が分からなかった。







初めて聞く内容が多すぎて脳みそが付いていってない。







それもあるけど、何より次元が違う話だからっていうのが一番の理由だったんだと思う。




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