ハルオレ☆ -後篇-
「後悔…してるんだろ?嘘ついたこと。」
「理事長…」
芭悠里は藤岡の顔をじっと見つめ、そして申し訳なさそうにコクリと小さく頷いた。
「観奈さまも彼方様も、本当に幼い頃からよく知っておりますから…辛くて。」
「そうか。すまないな。協力させちゃって…」
申し訳なさそうに謝った藤岡の片手を思わず芭悠里はギュッと握った。
「いえ、私は理事長の秘書なのですから当然のことです。申し訳ございません。このような私情をはさんでしまって。一番お辛いのは理事長ですのに…」
「芭悠里…。」
芭悠里の行動に驚いた藤岡だったが、それも一瞬のことで藤岡も芭悠里の手をギュッと強く握り返し微笑えみかけた。
「いいんだよ。君には感謝してる。ありがとう。」
その言葉に嬉しそうに微笑みかえした芭悠里だったが、次の瞬間自分が藤岡の手を思わず握ってしまっていた事実に気づかされた。
「ももも申し訳ございません!私、思わず失礼な事を…。」
慌てて手を離そうとしたが、藤岡は芭悠里の手をさらに強く握り締めて離そうとしない。