ハルオレ☆ -後篇-


「あ、あの理事長…?」






「いいから。このまま…。」






戸惑う芭悠里の耳元で藤岡はそっと囁き、背もたれに体重をあずけると目を軽く閉じた。






「疲れた。少し寝るから着いたら起こしてくれないか?」






「は、はい。かしこまりました。」






しばらくして、横目でうっすらと芭悠里の様子を確認する。






窓の外を眺めていて表情は読み取ることは出来ないが、いつもは透き通るように白い肌をしている芭悠里の耳は真っ赤に染まっていた。






(セクハラでいつ訴えられてもおかしくないな…)






そう思いながらも、ヒンヤリと少し冷たい芭悠里の手が自分の手をちゃんと握っているのを見て思わず笑みがこぼれてしまう。






(本当に感謝してるんだとよ。)






藤岡は心の中で呟くとまた目を閉じた。今日は久しぶりに心地よい眠りに誘われるような気がした。







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