ハルオレ☆ -後篇-
だがその瞬間。
「うるさいぞ。貧乳処女。」
怒る西川さんにいつもの如く小声で反論した彼方。
その言葉に、さらに西川さんの怒りが一気に燃え上がる。
「きぃ〜っっ!!!なんですってぇ〜(`Д´)」
西川さんがキッと彼方を睨みつけると、彼方は『フッ』と勝ち誇った笑みを浮かべる。
そんな西川さんと彼方を見て、いつ火蓋を切るのかと俺がヒヤヒヤしていたその時、
「おい。お前ら何しゃべってるんだ?早く教室に行けよ!」
聞き覚えのある声が飛んできた。
「あっ!ヤマト兄!」
俺がいち早く声の主であるヤマト兄の名を口に出すと、
「遥。おはよう。」
ヤマト兄が笑顔で俺に挨拶してきた。
「うん。おはよう。」
俺もそんなヤマト兄の笑顔につられ、挨拶を返した。
彼の名前は早瀬ヤマト。
俺達のクラスである3年D組の担任教師であると同時に、蘭藤荘102号室の住人だ。
ヤマト兄は、俺の幼い頃からの知り合いで兄貴的存在なんだ。
ちなみに俺をこの北洋高校と蘭藤荘に推薦してくれたのもヤマト兄なんだぜ。