ハルオレ☆ -後篇-
「あ~。僕すごく楽しすぎて死にそうだったよ。」
放課になると、彼方様が上機嫌で後ろの席の俺の方を向いて話しかけてきた。(小声で)
「あのロリコンメガネの完全にテンパってる姿。まさか学校で拝めるなんてね。あはは。あ~、久しぶりに心の底から笑ったよ。」
俺にはよくわかりませんが、本当に楽しそうですね( ̄▽ ̄;)
「ふふ。観奈のやつ、早速僕を楽しませてくれるなんて、さすがは僕の幼馴染みだよ。」
そう言った後も、思い出し笑いをこぼす彼方に俺はただ遠い目で見守るしかなかった。
「で、でもさー。観奈がまさかあそこまで頭が良かったなんて俺びっくりしちゃったよ。」
俺がそう言うと、彼方が鼻で『ふん』と唸る。
「当たり前でしょ?観奈は幼い時から、凄腕の教育係の英才教育受けてきたんだ。」
「え?そうなの?」
なるほどー。そうだよな。観奈はお嬢様だもんな。
教育係に勉強を教えてもらっていれば頭もいいわけか。
「さすがお壌さ……グハァア!(´Д`).:*・.:’.∴カハッ」
俺が『さすがはお嬢様だね』と言おうとした瞬間、俺の頬に強烈な張り手がかまされた。
そう、彼方様がいきなり俺を殴ってきたのだ。
「あ、遥!ごめんね。今、頬に虫が止まってたから思い切り殴っちゃった!痛かった?」
はい。とてつもなく痛かったです(´;ω;`)
俺が殴られた頬の痛みを手で押さえていると、彼方が『ほんとごめんねぇ』と言いながらもグイッと俺の制服の襟ごとを引っ張る。