ハルオレ☆ -後篇-

part5 異変とすれ違い



「…で、何?いったいどうしたのよ?」









初めに口開いたのは観奈だった。








すると彼方は、








「やりすぎ。」








一言で返答した。








「え?」








観奈が理解できず眉を寄せると、彼方が呆れたようにため息を落とす。








「…って言うより目立ちすぎって言ったほうがいいかな?」








「何よ?目立ちすぎって…?」








「あれ?自覚してないの?」








「はぁ?自覚?何がよ?」








突然『目立ちすぎ』と言われても観奈のほうは身に覚えがない。そんな感じだった。








「あ〜あ。やっぱり何も変わってないね。」








「もうだから何だって言うのよ?私にも分かるように言って?」








なかなか本題に入らない彼方に観奈はムッとして声を張り上げた。








「じゃあ、言うけどさ。君、気づいてる?『澤原家の人間として完璧に振舞うこと』って教えが今も身体に染み渡ってるってこと。」








「え?ウソ?」








「ほら、気づいてない。やっぱり自覚症状ないじゃん。」








彼方にそう言われて、観奈はそのままハッとして黙り込んだ。

< 88 / 181 >

この作品をシェア

pagetop