ハルオレ☆ -後篇-
「あの家のやり方が嫌で君は家を出たんだろ?じゃあ、なんでまだ学校でそんなわざわざ完璧に振舞おうとするの?」
「…わ、私、そんなつもりは…。」
「自分でそれに気がついてないからわざわざ僕がこうして言ってるんだよ。また美月のお人形さんに元通りで大丈夫なの?ってね。」
「……。」
観奈は彼方に何も言い返さず、また押し黙った。
「ふふ。これは忠告になるのかな?今はいいかも知れないけど、このままの君でいるなら、いずれ『あの時』みたいに心壊れちゃうよ?」
「あ、あの時?」
観奈は小さくそう呟くと、何かを思い出したのか目をグッと見開き、かすかに震えだした。
「だから納得できなかったってのもあったんだよ。君が学校に通うの。そんなトラウマ持ってて学校に通えるはずがない。」
「……。」
「まぁ。そろそろ自分でも気づいてるんだろ?自分に学校に通うのは無理なんじゃないかって…。」
彼方がそう言ったその時。
『バシッ』という音が響き渡る。
なんと、観奈が彼方の頬を手のひらで叩いたのだ。
「……痛いな。何するんだよ!」
彼方が手で頬を押さえながら叫んだ。
「…最低。」
観奈がうつむきながらそう口にした。