ハルオレ☆ -後篇-
「はぁ?なんで最低になるんだよ?僕は君の事を心配して…」
「なんで?人が久しぶりに学校に来たっていうのに、なんでそんな話されなきゃいけないのよ!」
そう大声で叫ぶ観奈の瞳には大粒の涙。
彼方はそんな観奈の顔を見て言葉を失う。
「…それに、あの時とは違う…。私はお母さんのお人形なんかじゃ、ない…。」
観奈は瞳から流れる涙を手の甲で拭った。
「観奈…。僕は…。」
彼方は『さすがに言いすぎた』と思ったのか弱弱しくそう口開き、観奈にゆっくりと歩み寄ろうとしたが…。
「彼方のバカ!もう知らないわよ!」
観奈は彼方に思い切り叫ぶと、そのまま号泣しながら彼方を避けて走り去っていった。
彼方は走り去る観奈を追うことなく、ただ後姿を眺めているだけだった。
「……バカは観奈のほうだよ。」
彼方がうつむいてそう独り言をぼやいたその瞬間。
「いいえ!バカはあなたよ!腹黒王子!」
隠れていた西川さんが壁から彼方の目の前に飛び出した。
(´Д`).:*・.:’.∴カハッ
ちょ、西川さん!それ自殺行為ってわかってますか!?
そんなことしたら俺達が盗み聞きしてたのバレバレじゃないですか!!!!(゚ Д゚;)