お嬢様はヒーロー?!
でも顔は良いから、なんか、敗北感で言い返せない。
いかにも勉強出来ますって感じの清楚な外見に、フレイムのないシンプルなメガネ。髪は真っ黒でさらさら、綺麗にまとめられている。白くてきめ細かい肌に、吸い込まれそうな深く茶色の瞳に、思わず見とれちまう。
ん?…でも…どっかで見たこと…っていうか…会ったことあるような…
「見すぎだ、猿」
そいつは、メガネを綺麗な指で持ち上げながら、見下した様に言った。
「べ、別に見とれてなんか…「そんなこと言ってない」
そいつは、私の話を遮った。冷たい返しだな、おい。
せっかく私が乙女に言ってやったというのに…
「お前、学校行け。烏高の奴だろ。」
メガネの奴は、私の着ている制服を上下に見ながら言った。