お嬢様はヒーロー?!
「雷達ならもう居ねぇぞ」
メガネは私の腕を掴み、雷が居た所を指差した。
びっくり…した…。
急に腕を捕まれたから。
それに、締まった細い体のわりに強い力だった…
私は、思わずよろめきながら、指差す方を見た。
雷は本当に居なくなっていた。周りに居た数人も
雷…が
雷…、が居なくなった…
私はメガネに振り向き、睨みつけた。
「オメェのせぇだ!どおしてくれんだ!雷に、雷に…何かあったらどおしてくれんだよ!」
そして、メガネに怒鳴った。耳が契れるぐらい大声で。