肉きゅうを触らしてくれるなら

私は確かに独身だけど、彼氏はいる。同じ会社に勤める28才だ。なかなかプロポーズしてくれなくて困っている。明日は日曜日で休みだから、デートをする予定。


いつもどおり、近くのイタリアンレストランで彼と昼食をとっていた。


「あのさぁ。」

「なにぃ?」


パスタを口に含みながら会話をする。5年も付き合っているんだ、何も気にすることがない。ただ…、同棲ぐらいしてくれたって…。


彼が口に入れたパスタを飲み込み、水を飲んでからようやく続けた。


「明日のデート行けなくなった。ちょっと、取引先と話す予定入ってさ…。」

「え~?久しぶりだったのに…。まぁ、いいや。また休みが重なったときにでも。」

「ごめん。」
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