肉きゅうを触らしてくれるなら

「私、最近やる気が出ないんですよ。肉きゅうを触らしてくれるなら、やる気が出ると思うんですけど…。」


友猫は、チラッとこっちを見たと思ったらすぐに視線を前に向けた。


「…なによー。……話変わりますけど、私には彼氏がいるんですよ。でも、最近?ってか、だいぶ前から?恋人って言うより家族みたいな感じで…。どうしたら良いですかね?」


やはりしっぽを降るだけ。


「質問に答えてくださいよ。…肉きゅうを触らしてくれるなら、変わると思うんですけどねぇ?」


今度は立ち上がって屋根の上に登ってしまった。肉きゅうはダメなのかな?

「また明日!」


友猫に聞こえるように挨拶をして家の方向に歩き出した。


< 5 / 29 >

この作品をシェア

pagetop