私だけの年下彼氏
先輩の言うあいつは…きっと隆のこと




「やっぱり…そうなんだ」




急いで否定して、うまく言い訳できたらいいのに




頭も口も、うまく動かない




どうしたらいいか分からずに視線をさ迷わせていると、ギュッと温かなぬくもりに包まれた




「せっ…先輩!?」




「俺にしなよ」




少し苦しげな声が頭の上から聞こえた




「俺なら絶対香織ちゃんを泣かせない。だからっ……」




「……っ」




私を閉じ込める腕に力がこもる




熱い頬に…冷たい夜の風が触れる
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