しゃぼんだま


歩いてるとふと、何かを思い出した。


「せや…そういや担任に保健室に健康観察表持って行くように頼まれとったんや!」


うちは急いで自分の教室に行き、健康観察表を持って保健室にダッシュで向かった。


「…失礼するで~…」


うちはゆっくり保健室のドアを開けた。


するとこんな時間にも関わらず明かりがついとった。


うちは部屋の中央にある大きい机の上に健康観察表を置いた。


「担任、気づきはるかな…」


「気付くでしょ」


「せやか。ならええな―――…って、誰や?!」


いきなりカーテンの閉まっとるベッドから声が聞こえてきはった。


うちは思わず、ベッドの方に勢いよく振り向いて身構えてしまった。


「こんな時間まで何やってたの?」


その声とともにカーテンが開いて姿を現したのは…


「聖(ひじり)やないか!」


ベッドの上で胡座かいて座っとる聖やった。


こいつは顔はええけど性格がとにかくドSで有名な奴。


せやけど、うちはこいつをどうしてもカッコいいとは思わらへん。


何でかって、うちは男が嫌いやからな。


周りから見たらかっこよくても、うちは男が嫌いなせいか、どうしてもカッコいいと思わらへん。


男はみんな同じ顔に見えてしまうんや…

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