しゃぼんだま
どないしよ…
ここはこのまま逃げるか?
でも、もしこいつが男やったら逃げ切る自信がない…
うちは立ち止まって後ろを振り返るのと同時に右足を勢いよく振りあげて、男であろう人物の顔面に蹴りをいれようとした。
すると軽々足首を掴まれてしもうた。
な、なんつー瞬発力やねん、こいつ!
しかも力、半端なく強いで!
こいつ間違いなく男や!
うちは相手の顔が見たくて、うちより身長の高い男を見上げた。
すると街灯の明かりで顔が見えたのは…
「ひ、聖…!」
聖やった。
ってか、これ、さっきの保健室と語りが一緒やないか…
「何でお前がここに…」
「女の子を一人で帰らせるのは危ないでしょ?だから後をつけて―――…」
「そんなのただのストーカーやないか!」
「だって瑠李会長、俺が一緒に帰ってあげるって言っても嫌って言うでしょ?」
「当たり前やろ!」
「だから方法がこれしかなくて」
「だからって不気味な事すんなや!」
「ねぇ会長?」
聖はうちの言葉を無視してそう言いながら首を傾げた。