君を愛した


「倉原大人になれ。ってかお前俺の弟になるんだな。」



「なんか嫌だ。」




「お兄さんと呼べ。」



「………。」



「俊哉、そろそろ行くわよ。優哉もおいで。じゃあ香凛ちゃんまたあとでね。」



『真優香さんありがとうございます。』




そしてまた二人きりになった。




すると蓮が深いキスをしてきた。



「優哉に嫉妬してる俺カッコ悪いな。」



『っふふ。蓮可愛い。』



「そろそろ時間だな。じゃあまた。」



『うん。』




一人になるとなんか寂しい。



「花嫁さん。そろそろお願いします。」



『はい。』



いよいよだ。




会場の扉の前には、お兄ちゃんが立っていた。



お兄ちゃんに一緒にバージンロードを歩いてとお願いしたのだ。




普通は父親と歩くものだけど私はお兄ちゃんと歩きたかった。



『お兄ちゃん。今まででありがとう。』



「香凛、幸せになれよ。」



そう言ったお兄ちゃんの顔はすごく優しい顔をしていた。



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