君を愛した


『ゔ~。』



「先生、香凛死にませんよね!?」



「もう、お父さんになるんでしょ!!落ち着いてください!!」



「は、はい。」




『ゔぅ゙~痛い~』



「ま、まだ産まれないんですか?」



「もう少しかな。」



「もう少し…。」



「子宮開いてきたね~陣痛が5分間隔になったら呼んでください。」



「は、はい。」




――――
―――
――



『はぁはぁ…ゔー。』





「分娩室移りましょうか。倉原さん歩ける?」



『ゔー。わ、わかりません!!』



「じゃあ歩いてください。」



『は、はい~!!』




――――
―――
――



「倉原さん。浅く呼吸してくださいね~。」



『ふぅふぅ。』



「まだ息まないでね。」



『はい…。』



「香凛!!頑張れ。」




蓮が手を握ってくれる。



『ゔ~痛い!!』



「イタタタタ。か、香凛爪が!!」



気づかないうちに蓮の手を握りすぎていたらしい。



しかしそんなことを気にしている暇はない。



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