君を愛した


「そうだな。綺麗になったな春瀬。」



それを聞いた蓮が不機嫌になったのは言うまでもない。



『………。』




白石真人の視線が一瞬蓮に向いた。



「あの時はごめんな。」



『もう気にしてないし。ってか私も悪かったし…。』




「実はさ……俺、本当は春瀬のこと好きだったんだ。」



『え!?』



「みんなにからかわれてつい酷いこと言っちまったけど…好きだった。」



『………。』



「いつも凛としてる春瀬に惹かれてたんだ。」



『ありがとう。あの頃は確かに白石くんのこと好きだったよ。』



「うん。」



『でも、今はもっと好きな人がいるの。』



「うん。」



『好きになってくれてありがとう。』




「幸せにな!!春瀬。」



そう言って白石くんは去っていった。



< 17 / 124 >

この作品をシェア

pagetop