君を愛した


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――



家に帰ると、蓮は帰宅していた。




『ただいま。』



「おかえり。」



相変わらず、私に触れてこない。



日課だったおはようのキスもしない。




微妙な空気のまま夜になった。




「俺もう寝るな。」



そう言ってベッドに入ってしまった。



『も、もう寝ちゃうの?』



「え?なんで?」




『何でもない。』




そのまま蓮は本当に寝てしまった。





私は眠れないまま、時計の針は12時をさす。




私の誕生日になってしまった。



去年は盛大に祝ってくれたのに…。




忘れちゃったの?




今まで誕生日なんてどうでもよかったけど、蓮に出会って変わってしまった。



今年も一緒に祝えると思ったのに…。



結局一睡もできないまま朝になった。




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