君を愛した
憂鬱な気持ちのまま学校は終了した。
帰りは偶然正門で蓮に会った。
「あ、香凛。授業終わり?」
『…うん。』
「俺も終わったところ。一緒に帰ろうぜ。」
いまだに何も言ってくれない蓮。
「なんか今日元気な『蓮のばか!!』
ついにキレてしまった。
ここが大学と言うことも忘れて叫ぶ。
『蓮なんて……大っ嫌い!!』
それだけ言うと、走り去った。
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―――
――
走り去ったのはいいものの、行く場所がない。
ピンポーン
ダメもとでお兄ちゃんの家に来た。
「はーい。あら、香凛ちゃん。」
『真優香さん……今日はお休み?』
「そうなの。今日香凛ちゃんお誕生日よね?おめでとう。」
『ありがとう。』
「あがって?」
『うん。』