君を愛した

初めての喧嘩



「何かあったの?」



『蓮が、私の誕生日を忘れてるんです…。』




「あらそうなの…。私も若い頃は俊哉と喧嘩したわ。」



『え?』



「記念日とかすぐ忘れちゃう人だからね。」



『……私、わがままになったんです。』



「どうして?」



『蓮は望んだこと何でもしてくれるから、誕生日も当たり前に祝ってくれると思い込んで…。』



「いいんじゃない?わがままでも。男の人は好きな人のわがままなんて可愛いものよ。」



『……それに、蓮に"大っ嫌い"って言っちゃったの…。もう嫌われちゃう。』




「大丈夫よ。」



真優香さんが優しく抱きしめてくれた。



『っう…グス……。』




ガチャ



その時お兄ちゃんが帰宅した。



「ただいま。ってお前ら何してんだ?」



「蓮くんと喧嘩したみたいよ。」



「倉原と!?お前、今日誕生日だろ?」



『…グス……うん。』



「全くあいつは…。今日はここに居ろ。」



『うん。』



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