君を愛した
すがるような目で蓮を見ている栗原さん。
「自分から別れるって言っといて何なんだよ。」
「え?」
「高校別なんて嫌だって言ったのはお前だろ。」
「………。」
「俺は、お前と同じ学校受けてダメだったから違う高校に行ったんだ。でも、今は落ちてよかったと思ってる。香凛に出会えたから。」
「………。」
「だからもうお前とよりを戻すことはない。」
「う……グス…。」
「泣いても何も出来ないから。じゃあな。」
すたすたと歩き出した蓮を慌てて追いかける。
『蓮…。いいの?』
「だって関係ないじゃん。俺には今、香凛がいるし。」
『うん。』
嫌な予感を感じながら帰宅した。