君を愛した
嫌な予感
あの一件以来、栗原彩乃は私たちの前に現れることはない。
すっかり、忘れていた。
季節は冬になった。
今日は久しぶりにデート。
『映画なんて久しぶり。』
「そうだな。」
今話題のラブストーリーを見る予定。
すごく切ないお話だった。
思わず泣いてしまった。
『……グス…いいお話だったね。』
「そうだな。」
『好きな人が死んじゃうなんて…。私は耐えられない。』
「俺は香凛を残して死なないから安心して?」
『うん。』