君を愛した


そんな話をしながら、近くのベンチに座る。



「ちょっとトイレに行ってくる。」



『わかった。』



大人しく蓮を待つ。




しばらくすると遠くに蓮が見えた。




蓮の方に駆け寄ろうとすると、突然蓮の顔色が変わった。



「香凛!!危ない!!」



『え?』



蓮に抱きしめられる形で倒れこむ。



『どうしたの?』



蓮の様子が変だ。




すると周りにいた人が叫ぶ。




「人が刺されたぞ!!」



「キャー!!」



え?



蓮の背中から血が出ていた。



そして、視界に入ったのは、包丁を持った栗原彩乃。



その包丁は血で染まっていた。




『い、いや!!蓮!!大丈夫!?ど、どうしよう…。誰か!!きゅ、救急車呼んでください!!』



「か、香凛…大丈夫か?」



『私の心配なんてしなくていいよ!!蓮死なないで!!』



傷口からどんどん血が出てくる。



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