君を愛した
「倉原は!?」
「今、血液が足りなくて…。」
そう言って走り去ってしまった。
血が足りない。
「香凛!!倉原は何型だ?」
『わ、分かんない…。』
すごく自分が情けなかった。
その時再び手術室が開く。
出てきた医者にお兄ちゃんが聞く。
「すいません!!何型の血液が足りないんですか!?」
「それが…Oh型なんです。」
「Oh型?そんな血液型あるんですか!?」
「とても珍しくて日本には百人いるかどうか…もしかしたら十数人しかいないかもしれないほど稀な血液型なんです。」
「そんな…。」
「とりあえず、血液確保に向かいます!!」
そう言ってどこかに行ってしまった。
Oh型……
ふと昔のことを思い出した。