君を愛した


「……もう大丈夫ですね。一週間ほど入院していただきます。」



「…はい。」



「彼女さんに感謝してくださいね。彼女の輸血がなかったらどうなっていたことか…。」



「え…?」




「では、失礼します。」




「香凛が輸血してくれたの?」



『うん。』



「ありがとう。」



『うっ…うわ~ん!!蓮のばか!!死んじゃうかと思ったんだから!!』



声をあげて泣いてしまった。



「お、落ち着け。香凛。」




『う~っ…グス。』



「じゃあ俺は帰るな。」



『あ、うん。』



「先生迷惑かけてすみませんでした。」



「気にすんな。生きててよかったな。」



「はい。」



「じゃあお大事に。」



「ありがとうございます。」




病室に二人きりになった。



真優香さんはもう仕事に戻った。



< 59 / 124 >

この作品をシェア

pagetop