君を愛した


「橋本さんは睡眠不足と軽い栄養失調ね。今点滴を打ったから終われば帰れるわ。」



『そうですか。よかった。』



「あんまり良くないかもしれないわ…」



『何が?』



「ちょっと見て。」



真優香さんに言われてあおいの腕を見る。



『……こ、これ。』



あおいの腕にはたくさんのアザがあった。



「それと…。」



真優香さんは遠慮がちに、あおいのTシャツを捲った。



『……!!』



お腹にもアザや傷があった。



「……何かわけありっぽいわね。」



『………。』



「橋本さんの家族のこと聞いてるかしら?」



『今は、彼氏と暮らしてるって聞いてるけど…。家族のことはよくわからない。』



「そう…。じゃあ彼氏が怪しいわね。」



『怪しい?』



「DVよ。」



『DV?』



「つまり、彼氏から暴力を受けている可能性が高いわね。」



『え!?』



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