君を愛した
そう言ってあおいを家に連れてきた。
『ただいま。』
「おかえり。あれ?」
「お邪魔します…。」
リビングに案内する。
「俺、出掛けようか?」
「大丈夫です。怪我してるんですよね?私のことは気にしないでください。」
「分かった。」
そう言ってベッドに腰をおろす蓮。
『怪我、消毒した方がいいよ。』
「ありがとう。」
『いつからなの…?』
遠慮がちに聞いてみる。
「魁は高校のふたつ上の先輩で、私が1年生の時から付き合ってるの。」
『………。』
黙ってあおいの話を聞く。
「みんな私の顔だけを見て告白してきたりしてて、正直うんざりしてた。ある人の告白を断った時、嫌がらせされてね。魁が助けてくれたの。それで好きになって…そうしたら魁が告白してくれて、それで付き合うことになったの。」
『うん。』
「最初はすごく優しくて、自慢の彼氏だった。」
そう言うあおい顔はすごく穏やかだった。