君を愛した
忘れられない日
「香凛、誕生日おめでと。」
『ありがとう。ごめんね。今日仕事で…。』
「気にすんなよ。俺がたまたま休みなだけだし。」
『出来る限りの早めに帰るね。』
「だから気にしなくていいって。」
『じゃあいってきます。』
「いってらっしゃい。」
チュッ
いつもいってきますのキスをしている私たち。
蓮は、私の19歳の誕生日を祝えなかったことをいまだに後悔しているらしく、あれから1度も私の誕生日を忘れたことはない。
毎年盛大に祝ってくれる。
上機嫌で学校に向かった。
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「香凛、機嫌いいな。」
『あ、お兄ちゃんおはよ。』
「学校では中村先生って言え。」
『自分だって香凛って呼ぶくせに…。』
「………。あ、そういえば誕生日おめでとう。」
『ありがとう。』