君を愛した


「俺と……。」



ま、まさか……。



「俺と……結婚してください。」



まっすぐ私を見て、真剣にそう言ってくれた蓮。



ずっと待ちわびていた言葉。



『え…?』



「俺のお嫁さんになって。」




嬉しすぎて言葉にならない。




『………はい。』




そう言うと、ポケットから小さな箱を取り出す蓮。



「左手出して。」



言われた通り左手を出す。



今、左手の薬指には蓮とのペアリングがはまっている。



そのペアリングを抜き取ると、そこに新たな指輪をはめてくれた。



『婚約指輪…?』



「うん。」




『蓮…ありがと!!』



思いっきり蓮に抱きついた。



そして、軽くチュッとキスをする。




「きゃー!!生プロポーズ見ちゃった!!」



「生ちゅーも!!」



「先生羨ましい!!」



その声にハッとする。



そういえば、ここは学校でした…。




「こら!!春瀬先生!!教師が学校で何をしてるんですか!!」



げ!!教頭。



『す、すみません!!』



蓮から離れ頭を下げる。



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