君を愛した


「まぁいいじゃないですか。教頭。香凛おめでとう!!」



お兄ちゃんがそう言うと、生徒たちも「おめでと!!」「幸せになってね!!」と声をかけてくれた。




――――
―――
――



帰り道。



手をつないで歩く。



「俺が何であそこでプロポーズしたか分かる?」



『え?何でだろ…?』



「香凛に一目惚れした場所だから。」



『そういえば…前に蓮が言ってたね。』



「出会った場所でプロポーズしたかったんだ。」



『でも、私が蓮と初めてあったのは、昇降口なんだけど…。』



「あの、雨の日?」



『うん。』



「俺まだあのビニール傘とってあるよ。」



『嘘!?あの安いやつ!?』



「うん。」



『なんか懐かしいね…。』



「そうだな。なぁ香凛?」



『ん?』



「幸せになろうな…?」



『うん!!』



< 94 / 124 >

この作品をシェア

pagetop