君を愛した
挨拶
蓮は私の誕生日の前日に一人で、お兄ちゃんに「香凛と結婚させてください」と言いに行ったらしい。
全然知らなかった。
誕生日の翌日、蓮は連休をとっていたみたいで、二人でお兄ちゃんの家に行き、ちゃんと結婚の挨拶をした。
それから、私の育った施設に行った。
そして、例の言葉を口にした。
「娘さんを僕にください!!」
「きゃー!!夢だったのよ!!これ!!」
と興奮気味の百合おばちゃん。
「香凛ちゃんを幸せにしてね。」
「はい。」
『おばちゃん。今まで育ててくれてありがとうございました。』
「幸せになってね。」
『うん。』
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それから私を産んだ両親にも挨拶に行くことにした。
両親は泣きながら喜んでくれた。
蓮のお母さんにも挨拶に行きたかったが、どこにいるか分かんないため断念した。