君を愛した


「素敵な人を見つけたな。蓮、大事にしろよ。」




「うん。」



それから蓮と蓮のお父さんは今までの時間を埋めるように話しに没頭していた。



私と美咲さんは台所でご飯の仕度をしている。



「夕食を食べていってくれ。」と蓮のお父さんが言ってくれたのだ。



「蓮太さん、嬉しそう。」



『蓮も嬉しそうです。』



「蓮太さん、本当に蓮くんに会いたがっていたの。」




『そうなんですか?』



「えぇ。これからも時々会いに来てね?蓮太さんも喜ぶわ。」



『はい。』



「っふふ。私にも娘ができたみたいで嬉しいわ。」



『美咲さんのことお母さんって呼んでいいですか?』



「え?」



『私、お母さんって呼べる人いないんです。だから…。』



自分の産みの親をお父さん、お母さんと呼べなかった。



百合おばちゃんも母親だと思っていても、お母さんと実際に呼んだことはない。



「私なんかでいいの?」



『はい。』



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