勿忘草-時をこえた思い
15分かけて川原に行き、勿忘草のところに急いで行ったが…

「ない!どうしよう…明日返さないといけないのに…」

と、私がおろおろしていると声をかけられた。

「あの…」

「はい!あ…」

私の後ろに立っていたのは昨日の彼だった。

「これ…君の本だよね?」

彼が私にわたしてきた本はまぎれもなく私が探していた本だった。

「あっはい!ありがとうございます!!助かりました。」

「やっぱり、君のだったんだ。本当は、図書館に返しに行こうと思ったんだけどそれだと君が心配するかなと思って。」

「そうなんですか。本当に助かりました。」

私がそういうと彼は少し微笑んでから勿忘草をみた。すると彼は驚いたような顔をした。

「その花…」

「あぁ、勿忘草です。」

「君、もしかして!…いやなんでもないよ。」

かれの態度に戸惑いながらも私は勿忘草を一本折って彼に渡した。

「どうぞ。」

「えっ?」

「綺麗ですよね。一本どうぞ。っていっても私の花じゃないですが。」

そういって私が彼に花を渡すと彼はありがとうといって花に手をのばした。

彼が花を受け取るため、私の手にふれたときだった。
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