流星ラジオ


「俺は羽美以外の人と付き合う気なんてない。俺は羽美だけがいればいい」

どうしちゃったのと聞きたいのはこっちのセリフだ。

砂糖菓子より甘い言葉の羅列に、言葉が出てこない。


「えぇっと…。ありがとう」

「羽美は?」

詰め寄ってくる海月が何だかいつもより子供っぽく見えて、思わず笑ってしまう。

いつも子供扱いされるのは自分の方だったのに。


「私も、海月だけいればいい」

羽美の中に熱い光が灯る。
海月の中にも熱い灯が差し込む。

「…クラゲは、海の中じゃないと生きられないんだよ」


彼の言葉は、今も褪せることなく光を宿している。


***


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