流星ラジオ


苦しい思い出も哀しい思い出も、写真を見るたび溢れだす。

その時の自分の弱さも失敗も、同時に思い出す。

そうするたび、自分がダメに思えて仕方がない。


その時、ドアをゆっくりとノックする音が羽美の耳に飛び込んできた。

インターホンを鳴らすのではなくノックする人物と言えば、あの人しかいない。

彼女はためらうことなく、ノックの音と同じようにのんびりした動作でドアを開けた。


「いらっしゃい、砂名(サナ)」

砂名は中学校の頃からの羽美の親友である。
海月への気持ちを応援してくれたのも彼女だった。

しかし今では…。



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