流星ラジオ
砂名が赤く泣き腫らした目を柔らかく細める。
「そうか…。じゃあ私も、羽美の言うことを信じる。
海月はきっと戻ってくるって」
ゆっくりと解かれた手に、彼女の苛立ちが緩んだのを感じた。
もう少し話していくのかと思っていたが、どうやら彼女も暇ではないらしい。
立ち上がり、玄関の方へ向かっていく。
「今日はいきなりお邪魔してごめんね。
これ渡そうと思ってたんだけど、海月の話ばっかりになっちゃった」
彼女らしい機能的な麻のトートバッグから、砂名が何かを取り出す。
「27歳の誕生日おめでとう」
本当に、どうしてここまで優しくしてくれるんだろう。
傷つけて泣かせたというのに、それでも彼女は優しかった。