流星ラジオ
彼女がくれたのは星の形のペンダントだった。
「星が、好きだったよね。海月も羽美も」
「うん…。ありがとう…」
声が震えそうになるのをこらえてそう呟く。
砂名のプレゼントを通じて、彼との思い出が溢れ出してしまう。
繋ぎとめて、心の中に閉じ込めておかなくてはいけないのに。
砂名からのペンダントは、ひんやりとした冷たさをまとって羽美の首筋を包んだ。
「似合ってる」
それだけ言うと、砂名は満足そうに帰っていった。
彼女の背中が見えなくなるまで見届けてから、羽美はその場にしゃがみ込む。
いない、どこにもいない。
前後左右どこを見渡しても、プレゼントをもらったと話せる彼はいないのだ。
5年間の空白を経た、今でも。